巡り行く季節の中心から【連載中】

ここは早めに退散した方が得策でしょう。邪魔者がいる屋上に用はありませんし。
そう考えて身を翻した僕は、早足でドアの方に向かった。


「おっ、進藤じゃん。お前もサボりかよ?」
「優等生がご苦労なこった」
「ほらほら、ガリ勉君はさっさと教室戻んなー」


すれ違い際、ヘラヘラと絡んでくる組一同。
その中には案の定不貞腐れた面持ちの涼人(すずと)の姿もあった。


「……よぉ」
「こんにちは」
「いつ見ても気に障るツラだなオイ」


それを言うなら涼人は相変わらずイガグリのように尖ってますね。
なんて、きっと偉く憤慨するでしょうから口が裂けても言いませんけど。