巡り行く季節の中心から【連載中】

「金沢がいるとはかどらないわね。目障りっていうか」
「酷いなナっちゃん~」
「冬香もそう思うわよね?」
「へ?あ、や……そんなことは」
「でしょでしょ?やっさしいな~米澤ちゃんは。オレ達金“沢”と米“澤”でザワザワだし結構相性いいと思うけど、どうよ!?」


なんじゃそりゃ。
シゲから至極迷惑な疑問符を飛ばされた米澤は、困惑の色を浮かべている。
そんな邪魔物を追っ払うべく、ナツがシゲに向かって「しっしっ」と手で払う仕草をした。


「ほら、金沢はあっち行った」
「ナッちゃんってば相変わらず手厳しいなぁ~。いやね、本当はアッキに勉強教えてもらおうと思ったんけどサボりでいないんだなこれが」
「サボり?進藤が?」


そんな馬鹿な。とシゲを疑いつつ進藤の席を見れば、確かに奴の姿が見当たらない。
席を立って誰かに勉強を教えてあげているのだろうと視線を移動させるも、やはり教室内のどこにも進藤はいなかった。