「乾杯~♪」


缶ビールを開けた。

発泡酒の薄まった味。


アタシは家で飲む時は発泡酒だ。


正直酔ったあとは何を飲んでも味が分からない。


「茜はどこで杉田オーナー知り合ったの?」


屋台では聞けなかった事だ。


「それが偶然とゆぅか運命とゆぅか...」


茜は杉田純一との出会いを語ってくれた。


その口調を聞いていると茜が杉田純一を好きなのが伝わってくる。


「じゃぁオーナーは茜が高校生だった事も学校を辞めた事も知らないって事?!」


「ぅん。お互いの事をあまり話さないから...」


茜が少しうつむいた。


「...でも付き合ってるんでしょ?」

アタシは不安気に聞いた。


「ぅうん。あたしの片思い。」


茜と杉田純一は身体の関係もないらしい。


「一度だけ抱いてって言った事があるんだけど、額に軽くキスされてそのまま流されちゃった...」


悲しそぅな顔の茜にアタシは言葉を見つける事ができなかった。


茜が小さく息をはいた。


「まぁなみっ!今日は朝までコースで飲もっ♪」


いつもの笑顔で茜が言った。