2時間の道のりの中懐かしい風景が見えてきた。


パパは地元の小料理屋で車を止めた。


アタシもよく知っているお店だ。


小さい頃家族でよく食べにきた懐かしいお店。


和風作りのその店は子供の頃来た時よりずっと古びえて見えた。


ガラガラ~っと玄関の戸を開け、藍色のノレンをパパがまくった。


ママはパパの後ろに着いていく。


アタシはそろりと、ママの後ろに続いた。


玄関の右側は五人程座れるカウンターテーブルに、その奥はちょっとした小上がりがある。


アタシはギョッとした。


その小上がりにおばぁちゃん、おじぃちゃん、兄弟から叔父、叔母までいるのだ。


「まなちゃん、お帰り。」


と、おばぁちゃんが言う。


「まなちゃん沢山食べな。」


っと叔母が言う。


アタシ戸惑いながらその小上がりに座った。