入学式は少し長くて、その上校長先生は外国の方で何を話してたのか全くわからなかった。

クラスへ戻ると井上康と自己紹介してくる担任の先生。

今日は入学式だけで授業はないらしいからこのまま帰っていいらしい。

帰宅の準備を済ませて帰ろうとすると斜め前横の席の人とぶつかる。

いたっ。

顔を上げるとそこには

わあ〜随分高い身長、スッとした鼻筋、一重で細長い目。

か、かっこいい。

「ごめん、見えなかった」

見えなかったって、これでも167女子の中では高い方だと思うのに。

「ううん、こちらこそごめんね。」

「俺34番の桐谷慎。よろしくね?」

「あ、29番の渡辺詩夜こちらこそ1年間よろしくお願いします。」

「うん、あ、下の名前で呼んでな、じゃあ」と言ってニコッと笑って教室を出る彼。

 34番 桐谷 慎 くん  

第一印象はただただかっこいいとしか思いませんでした。

この時はまだあなたの存在が私の中で大きくなるなんて思いませんでした。