どうしよう?
そのことを言うべきだろうか?
もちろん、言うべきだ。
翔子は打ち明けてくれたんだから。



(あ……!)



そうだ…僕はさっき、愛美さんのことで嘘を吐いた。
正確には、真実を言わなかった、だけど。
あぁ、こんなことなら正直に言っておけば良かった。



どうしよう?
困ったな。



「あの…翔子…」

「なに?」

「実は……」

「どうしたの?」

「えっと……実は、この間、地元に行ったんだ。」

「えっ!地元に?どうして?」

「うん…急に翔子に会いたくなったから。」

「ええっ!?どういうこと?」

なんでそんな話をしてしまったのかもわからないけれど、とにかく僕はそのことを話していた。



「うん、なんだかね。
急に会いたくなって、それで衝動的に行ったんだ。
でも、会えなかった。
当然だよな。」

「潤……」

「でも、その後、映画館で会えた。
もしかして、僕達の縁はまだ繋がっていたのかな?」

「そうだよね!
でも……それなら、もっと早くに会いたかったな。
潤が彼女さんと知り合う前に。」

「あぁ~…それなら、ギリギリセーフかもしれない。」

「……どういうこと?」

翔子のキョトンとした顔があまりに可愛かったから、僕はついしゃべってしまった。
僕と愛美さんは、まだ恋人未満だということを。