「や、やめ」

 青ざめてぷるぷる震えるアリギュラ。そんな彼女をまっすぐに見据えて、メリフェトスはモノクルの奥で微笑んだ。

「――聖女の力、借り受けいたします」

 ぎゃああああ、と。

 色気もへったくれもない悲鳴が、聖堂内に響いたのだった。