形のいい眉が片側だけ器用に吊り上がって、得意げに言った。


 「お前は今、どうしたい?」


 どう、したい?


 顔を見たい、忘れたくない、そばにいたい。


 際限なく出てくる彼女への欲に可笑しくなる。

 笑みは俯いて隠しておくとしよう。栗ちゃんに見つかるとからかわれるに違いない。


 「……とりあえずっ、どこにいるか捜さないとだな!!」

 「そうだな。お前はそうこなくっちゃ。ということで、腹ごなしもしたし、もうちょっとぶらぶらしてから帰るか」

 「おう!」


 手段はまた明日から考えればいい。

 2年2組の元気印がいつまでも落ち込んだ顔してたら、みんなびっくりするだろうし。


 彼女と会えた時、笑って抱きしめられるようにしないと。