詩くん、寝ぼけてる? 少し動きすぎたかな… そう思い、次はさらに慎重に体を動かすと 「──どこ…いくの?」 寂しそうな声が わたしの動きをピタリと止めた。 詩くんを見ると ほんのうっすらと目が開いている。 「詩…くん」 「帰るの…雪…?」 大きな手がわたしの髪を撫でた。 ちょっと雑でも触れる指は優しくて 甘えてしまいそうになる。