ぬくもり



「やっぱり俺は、こうして雪とくっついてないと眠れないよ。

嫌われてても、ケンカしてても。
雪と離れるなんて、辛すぎて耐えられない」



心から安心した詩くんは
頬に、鼻に、瞼に、唇を落としてくる。


キスの数だけ幸せが溢れて、さっきのケンカがとても些細なことに思えた。



「……ねぇ雪。温もりも優しさも、愛も。俺の全部雪にあげる。ずっとずっとそばにいるから──」



詩くんが甘噛みした。

牙を立てるんじゃなくて
少し痕がつくくらいの強さ。


ほんのちょっぴり痛くて、甘い。


反抗よりも忠誠のしるし。