ぬくもり




「雪が告白されてるの…すごくいやだった。雪は俺のなのにって、勝手に妬いた」



詩くんは「ごめんね」と続けると
モフッと額をわたしの肩口に擦り付けた。




「もう口きかなくてもいいから…
嫌いにだけは…ならないで」


少しくぐもった声。

切なくなるほど健気なお願いだった。



「雪に嫌われたら俺…生きていけない」



もし詩くんに尻尾があるのなら、確実に今はしゅんと垂れ下がっていると思う。


申し訳ないけどその様子が可愛くて、
力いっぱい抱きしめたくなる。



そしてふと、夢に出てきた大好きだったあの子を思い出す。