ぬくもり



胸がきゅうっと締め付けられて
愛おしさに言葉が詰まる。




「ヤキモチ妬いて…ごめん…」



かすかに潤む詩くんの瞳。


この時ようやく
ケンカした理由を思い出した。



詩くんの部屋に遊びに来ていて
他愛のないお喋りをしていたら

隣のクラスの男子から電話が掛かってきたんだっけ。


そしてその内容がわたしへの告白で。


バッチリ横で聞き耳を立てていた詩くんが、電話の後にヤキモチ妬いて拗ねちゃったんだ。


その男子にはハッキリと断ったのに、そっぽを向いて口もきいてくれないから、わたしは怒って詩くんのベッドに潜り込んで、そのまま眠ってしまった──



という一連の流れに、なんてわたし達らしいんだろうと笑ってしまいそうになる。