詩優side



チュン...チュン...


鳥のさえずりと
ふわっと香る秋風の匂い。


ppp... ppp...


そして遠くに聞こえるのは

私の大っ嫌いな音...



ppp...ppp...



...はいはい、わかりました。



ppp...ppp...



...もう起きるってば、



ppp...ppp...



しかし耳を 劈く(つんざく)アラーム音は
容赦なく私の鼓膜を破りにかかる。


「...っ〜!
うるっさいなぁ、もう!」



怒りに任せて目覚まし時計を
ぶっ叩こうとした

そのとき



バタンッ



詩優(しゆう)ちゃん!!今日から新学期でしょ!」



目覚まし時計の破壊を察知したママが
運良く救出に成功、
(先週5個目が壊れたばかり)


と同時に
非常に信じがたい時刻を私の前に突きつけた




【7:55】




「ち、遅刻だぁあああ!!!」