微笑む俺を見つめ
安心したように
柔らかく微笑んでくれた雪那。
かわいい。かわいい。かわいい……
心の中で
『かわいい』の連呼が止まらない。
今の雪那の笑顔が
お花畑で微笑む天使と見間違うほどで。
俺の心が
天に持って行かれそうになったし。
「それでしたら……私はこれで……」
ぺこりと頭を下げ、
俺に背中を向けた雪那。
待って!
俺の幸福な時間、まだ消えないで!
雪那を帰したくなくい。
俺のそばにいて欲しい。
俺の欲望が膨れあがって。
抑え込むことなんてできなくて。
「もう少しだけ……
ここにいてくれない……?」
火照る頬を手の甲で隠しながら、
自分の想いを声に込めた。
「千柳様の……お邪魔でなければ……」
恥ずかしそうにうつむく雪那も、
なぜかほっぺたが
赤く染まっている。



