ドアの向こうに、雪那がいる。 ――ものすごく会いたかったよ。 この2週間、 雪那を俺の瞳に映したくて。 声を聞きたくて。抱きしめたくて。 ずっと苦しかった。寂しかった。 でも…… 嫉妬の悪魔に乗りうつられそうな 今の俺が、雪那を目の前にしたら。 『夜遅くまで、毎日何をしてるんだ!』って、 頑固な父親並みに説教しちゃいそう。 そんなことしたら…… 俺…… 確実に嫌われるよね?? トントン。 再び理事長室に響く、ドアを叩く音が。