「俺は、雨宮 万里」
「先輩ですよね?」
「オマエより1っこ上」
高3かぁ。
「不良……ですか?」
「はぁ?」
「暴走族とか……?」
「俺、そんな恐ろしい奴に見える?」
「全校集会……サボっているので……」
「サボるだけで、
不良グループに入れちゃうわけ?」
「うちの学園は、夢への志が高い人ばかりで。
サボるなんて、聞いたことがなくて」
「じゃ、オマエも今日から不良な」
「え?」
「堂々とサボってんじゃん。全校集会」
ひゃっ! 確かに!
私、なんてことをしているんだろう!
いくら隠れメイドだとしても。
正体がバレた時に、千柳様の評価を
下げることだけは絶対にしたくなくて。
高校入試も、トップ通過。
毎日必死に勉強して
テストは学年1位をキープ。
小学校から高2の現在まで、皆勤賞。
どんなにお腹がいたくても。
頭に痛みが突き刺さっても。
絶対に教室で授業を受けてきたのに。
真面目だけが取り柄の私が
サボりなんて!!



