「俺は、
目に見えないものは信じないけどな」
「氷牙だって感心してたでしょ?」
「何を?」
「綺月と心美ちゃんがくっついた時。
俺の見えるオーラが、当たってたって」
「あれは、さすがにビビったけどさ」
「俺には、本当に見えるんだからね」
「でもさ。
天音が雪那ちゃんと一緒に暮らし始めて
数か月経ったけど。
付き合う気配、無くないか?」
「それは、雪那を手放せない俺が、
邪魔しているからでしょ?」
「天音だって『一生恋なんかしない』って、
ダンスレッスンの時にぼやいてたぞ」
「運命の相手と恋に落ちれば、
天音の心も変わるんだよ」
そう。
雪那の運命の相手は、『天音』
心に真っ暗闇を抱えているけれど
磨けば絶対に
ダイヤモンド並みに光り輝く。
俺がゾルック入れたいほど、
内面も外見も、魅力的な男の子。
多分、
天音と雪那が恋に落ちるのも、
時間の問題。
は~。
二人が結ばれた時、
俺は祝福できるのかな?
雪那の特別な笑顔が、
俺じゃなくて天音に向けられていても。
俺は
優雅に微笑んでいられるのかな?



