「雪那、今日の俺たちのライブを
見に来てくれるでしょ?」
「天音君の初ライブですし。
心美ちゃんと行きますね」
「じゃあ、これ」
千柳様に渡されたもの。
これって……?
「俺専用の、握手会券だよ」
握手会?
「でも……今まで、
握手会は来ないでって……」
千柳様に
ずっと拒否られてきたのに……
「それは、雪那に握手なんてされたら。
ファンの前で、雪那のことを
抱きしめちゃうかもしれなかったから」
そんな嬉しい理由だったんだ。
「今日は……良いのですか?」
「雪那はもう、俺だけのものでしょ?
だから欲望は抑えられるはず」
「多分ね」と
はにかんだ千柳様が可愛くて、
フフフと笑みがこぼれてしまった。



