抱きしめたまま。
私の頬を愛でるように、
千柳様が頬をこすり合わせてくる。
――幸せすぎます。
頬から伝わる千柳様の温もりが
愛おしくて。
もっともっと
千柳様の甘さに触れたくて。
本能に操られるように
私は千柳様の頬に唇をうずめた。
でも……
自分のしてしまった大胆な行動にハッとなり。
勢いよく顔を離す。
「千柳様……ごめんなさい……」
「雪那、わかってるの?」
もしかして、今すぐ逃げた方が良い?
千柳様の腕に包まれたまま、
見上げてみた。
すると、わたしの真上には
悪魔に乗りうつられたように
悪そうに微笑む千柳様の顔が。
逃げよう!
とりあえず、千柳様の腕の中から。
今すぐに!
そう思って、もがいても。
もがいても。もがいても。
力強い腕の拘束は解かれなくて。
さらに強く、抱きしめられるだけ。
もしかして私が
頬にキスしたことで。
千柳様の変なスイッチを
押しちゃいました??



