「雪那、可愛すぎ」
ふぇ?
「赤ちゃんの時から、
雪那はずっと可愛すぎなんだから」
せ……千柳様!!
ハニーボイスと蜜甘スマイルで
私を甘やかすのは、
ほどほどにしてください!!
身分違いの千柳様と私が、
結ばれることなんてありえないのに。
一生
千柳様の一番近くにいたいって願望が、
止められなくなってしまうので!!
抱きしめられたまま。
千柳様の手のひらが
私の頭を優しく撫でた。
何度も。何度も。
――千柳様の温もりに
ずっと包まれていたいな。
うっとりしながら、
メイドとして贅沢すぎる幸せに
浸っていたのに……
いきなり。
何の前触れもなく。
お月様のように優しい千柳様の声が、
私の心に泥水を流し込だ。



