「子供に家事などを教える時間がないと
嘆いているお母さん達が、
結構いるみたいで」
「仕事と家事に追われているお母さんは、
多いからね」
「子供が、自分のことや
家事をできるようになれば。
親子で過ごす時間も、
もっと増やせると思うんです」
「雪那は、
そんな深いところまで考えているの?」
「私も母達が仕事で忙しくて。
もっと一緒にいて欲しいなって
思っていましたから」
「我が家のせいで、
子供の頃から、雪那に
寂しい思いをさせていたよね。ごめんね。」
「千柳様のせいではありません。それに……」
ん?と、首をかしげる千柳様の瞳を、
私はまっすぐに見つめた。
「寂しいときには、
いつも千柳様が、お傍にいてくださいましたから」
生まれてから今まで。
ずっとずっと、千柳様が隣にいてくれて。
たくさんたくさん。
私に愛情を注いでくれたこと。
心の底から、感謝しています。
そんな想いをめいっぱい詰め込んだ
とびきりの笑顔を、
千柳様に向けたのに……
ひゃっ!!
私の顔の表情筋は、
突然の圧にビックリして、固まってしまった。
だっていきなり。
蛇に締め付けられてる?って
勘違いしちゃうほど強い力で、
千柳様に抱きしめられたから。



