蜜甘同居 こじらせ中 ゾルック 二人目




 千柳様の瞳が、悲しそうに揺れだした。

 その姿を見て、心が痛む。



 私は千柳様の笑顔が見たくて。

 一生、千柳様にお仕えするって
 誓ったはずなのに。



 夢のために。自分のために。

 その誓いを、
 簡単に破ろうとしているなんて……





 ――千柳様に
   失望されちゃったかな……





 胸の苦しみに耐えるように、 
 ワンピースの裾を握りしめた私。



 千柳様と夢を天秤にかけてみたけれど

 どちらも大事で、
 どちらも手放したくない。




 心ががんじがらめにされたように
 動けないでいると。

 チョコレートのような極甘ボイスが、
 私の心の塊を溶かしてくれた。




「雪那、頑張ったね」


 え? 褒められた?


「どうしても叶えたいほどの夢なんて。
 なかなか見つけられるものじゃないんだよ」




「でも……千柳様は…… 
 小さいころから
 アイドルになりたいって……」


「俺の場合。
 京見グループを継ぐ運命から逃げたくて。
 父親への抵抗で、始めただけ」



 そうだったんですか。



「でも今は日本のトップアイドルを通り越して、
 世界で活躍する夢を見ているけどね」




 千柳様の凛とした瞳には、
 強い意志が宿っている。