目の前に立つ千柳様に柔らかく見つめられ、
心臓がわかりやすく飛び跳ねた。
恥ずかしくて瞳を逸らしたいのに。
逸らしたら、夢が覚めてしまいそうで。
千柳様が消えてしまいそうで。
見つめ返してしまう。
「俺の部屋に、雪那を入らせなかったのは、
ストーカーレベルのヤバい自分を、
隠したかったから」
千柳様の視線が……熱い……
「だって、雪那に幻滅されたら。
俺、生きていけなくなっちゃうでしょ?」
千柳様の声が……
耳を溶かしそうなほど……
甘い……
穏やかな瞳で微笑まれ。
童話の世界の王子様が
私だけを見つめてくれているような
甘い甘い錯覚に溺れそうになる。
「雪那……抱きしめてもいい?」
千柳様の微笑みに流されるように、
私はコクリと頷いた。
「俺が今、雪那を抱きしめたら
一生、俺は雪那を手放さないよ。
それでもいいの?」
「抱きしめて……欲しいです……」
「雪那……大好きだよ……」
千柳様のハチミツみたいに甘い声が、
私の脳を溶かしていく。
幸せすぎて。体中の力が抜けて。
立っていられない。
幸せで背骨が溶かされ
床に、崩れ落ちそう。
そんな私を、
千柳様が力強く抱きしめてくれた。



