「ここにはね、雪那が
俺にくれた物をしまってあるの」
「私が作った、糸電話」
確か……
私が幼稚園の時だったかな?
「赤い糸が長すぎて、
お話しする前に絡まって大変だったよね」
千柳様は糸電話を手に取ると
愛でるように撫でてから
また棚に戻した。
千柳様と私の部屋で
離れてお話してみたかったのに。
絡まりすぎて。糸電話は諦めて。
私はワンワン泣いちゃったんだっけ。
「これをもらった時は、
頑固な雪那に困っちゃったけど」
今度は大粒ビーズのブレスレットを
手首にはめ、
千柳様は腕を揺らしてみせた。
「私、ビーズのブレスレットで
千柳様を困らせる様な事をしましたか?」
「覚えてないの?俺が小3の時だよ」
「……思い出せません」
「雪那のせいで、
俺が学校の先生に怒られたのに?」
「え?」
「学校につけて行ってって雪那に泣かれて。
つけて行ったら没収されそうになって。
ひたすら先生に謝り続けたんだから」



