普段は大人の色気を
優雅にまとう千柳様なのに。
今は、顔を真っ赤に赤らめて。
手の甲で、恥ずかしそうに頬を隠して
うつむいている。
余裕のない子供のような
千柳様が可愛すぎで。
見ているこっちまで、
恥ずかしくてドキドキしてきちゃいました。
「どのファイルを見ても、良いのですか?」
「……いいよ」
本棚から1冊ファイルを取り出し、
ページを開いた。
ビニールポケットごとに、
半紙がファイリングされていて。
半紙には、墨で書かれた文字が
優雅に踊っているけれど……
達筆というか、崩し文字というか。
私には、解読不能。
「千柳様、なんて書いてあるのですか?」
「あっ、読めないよね?どうしよう……
声に出して読むとか……
俺、恥ずかしすぎなんだけど……」
そうですよね。
日記を読まれるのって、
ものすごく恥ずかしいですよね。



