蜜甘同居 こじらせ中 ゾルック 二人目





「千柳様がお屋敷を出たのって……
 私のことが……
 嫌いだからですか……?」


 


「その……逆……」


 えっ?


「子供の頃から雪那のことが、
 大好きでたまらないからだよ」




 笑みが一切ない
 真剣な瞳で見つめられ、
 動けなくなってしまった私。



「ご冗談……ですよね?」


「俺の気持ちが本気かどうか、
 雪那の目で確かめて」





 千柳様に手首を掴まれ。

 強引に連れてこられたのは、
 千柳様のお部屋の前。


 千柳様専属のメイドなのに
 私が立ち入り禁止の場所。



 ドアが開けられ
 腕を引っ張られても、
 足が入るのを拒んでしまう。



「私が入っても、いいのですか?」


「今日は特別。
 雪那に見せたいものがあるから」



 千柳様は私の腕をつかんだまま、
 部屋に入り。

 奥にあるドアの前で、足を止めた。