「せっちゃんにね、
着ない服をちょうだいってお願いしたの。
そしたら、なんて答えたと思う?」
わからないよ……
そんなこと……
「千柳様に買っていただいた服は
全て宝物だから、あげられないだって」
え?
「どれだけご主人様愛が強いの?って、
僕、ツッコミ入れちゃったよ」
雪那って、子供の頃からずっとそう。
俺が何かあげるたび
『大切にします』と言って
とびきりの笑顔を、俺にプレゼントしてくれる。
その笑顔が、天使みたいに純粋で可愛くて。
雪那の笑顔を絶やさないように。
褒めて。甘やかして。抱きしめて。
『俺が一生、雪那を守るから』って
強く思っていたはずなのに……
いつから俺の意志は
変わっちゃったんだろう……



