部屋に戻ったのはいいものの、これ以上踏み込んでいいのかわからずに迷っていた。玲音も何も話さないので部屋の中は物音ひとつ立っていない。
「玲音、よかったらさ、お父さんの話とか、ここでの思い出聞いてもいい?」
迷った末にあたしが言ったのは、“踏み込む”じゃなくて“無理のない範囲で玲音の口から話してもらう”ことだった。
あたしも玲音に“過去”を話してないのに、と思って。
いつか教えてほしい。玲音のこと全部。
過去に何があったのかとか、将来の夢だとか……
あたしもいつか話すから。待ってて。
凛side end
