それから……と言おうと思った瞬間階段の方から“ 危ないっ!! ”って声が聞こえてきた。
っ!
「先輩すみません!E組とF組にも配布を頼むのお願いします!」
早口で伝えてバッと駆け出す。
多分、誰かが足を踏み外したんだろう……落ち方によれば後頭部を打ちかねないと焦りながらも頭の片隅で考える。
階段のところに着くと女子生徒が今まさに落ちている途中だった。
迷いもなく飛び降りて女子生徒を庇う。
っ!痛い……っそれよりも!
「大丈夫ですか!?怪我は!?」
「っ……大丈夫。君こそ大丈夫?私のこと庇って怪我してない?
庇ってくれてありがとね。おかげで怪我はないよ」
「怪我をしていないなら良かった。立てますか?」
そう言って立ち上がり女子生徒に手を差し出す。少し顔を赤らめながら私の手を取った女子生徒を立たせる。
