いつか再会する時まで




世間話をしながら紅茶を飲み終えて企画書を出すと一気に真剣な表情になる誠さん。
いつもそれぐらい真剣だったらいいのに……と思ったのは秘密。



誠「なるほどな……いいぞ。これでいこう」


誠さんが目線を書類から外して私を見た瞬間、何を言われるのかとドキッとしたけど、返って来たのは肯定で安堵した。








誠「それにしても……やっと俺の夢が叶ったな」


ぽつりと呟かれた言葉を耳のいい私が聞き逃すはずもなく。


「“ 夢 ”って?」

誠「恥ずかしい話だけどな、俺はここで玲音と一緒にお茶したかった。それだけだ」


髪をくしゃくしゃにしながら少し照れくさそうにそう言った。
その言葉に驚きながらも嬉しく思う。


「そんなの、いつだって出来るから。
誠さんが誘ってくれれば、いつでも来るよ」







それにしても……お茶を入れる一式が揃えたのはいつなんだろう。私がここを受けることを決めるより前に買っていたなら、どうにかしてでも私をここに来させる気だったということ。そう考えたら、あの時のあんなに必死に説得していた理由がこれだと思うと少し面白いと思って、クスクスと笑ってしまう。


誠「どうした?」



不思議そうな表情を浮かべる誠さんに、何でもないよ、と返しておいた。