誠さんが起きるまで企画書を出せないので、理事長室で時間を潰すことにした。
多分紅茶があるはず……と戸棚を探すと、案の定カップとソーサー、ポットなどが1式揃ってあった。
紅茶を入れ始めると、隠し部屋から誠さんが出てきた。
誠「ん……?いい香り……あ、玲音か」
眠そうに目を擦りながら近づいてきた。
目の下に薄らクマがあるところを見るに、理事長の仕事も大変なんだろう。
「疲労回復にいいダージリンだよ。
今日はこれを出しに来たんだけど、誠さん寝てたからベッドに運んどいた。」
誠「あぁ、そうか……って、え?隠し部屋の存在気付いてたのか!?」
「え……?なんとなく分かるけど」
そうか、分かるかぁ……とガックリ肩を落とす誠さん。バレないとでも思っていたのだろうか……?
