いつか再会する時まで





玲音が出ていってから、少しため息をつく。
……いつになったらあの子はあの時のことを乗り越えれるんだ。
あの子自身が忘れないようにと、自分で自分のことを閉じ込めてしまっている。



それに……あの子は頑なに家族に会おうとしない。会うことがないという方が正しいのかもしれないが……
絵梨花(えりか)さんに、伊織(いおり)。あの2人は玲音と会うことを望んでいるのに。

絵梨花さんは玲音の母親で、亡くなった玲音の父親-(ゆたか)さんが経営していた会社『R&I』の社長だ。
伊織は玲音の5つ上の兄で、今は大学に通いながらモデルをしている。


2人とも度々俺に連絡をしてくる。
“ 玲音は元気? ”
“ 玲音、またコンクールで優勝したんだね。おめでとうって伝えて欲しい ”

そんな風に。






……俺は玲音に幸せになって欲しい。
玲音が2人と会うのが嫌なら会わせないし、会いたいって言うのならその場を作ろうと思ってる。


本当のことを言うと、いつか再会して欲しい。俺達のことも家族だと思ってくれている嬉しいが、“ 本当の家族 ”は彼らだから。









いつか玲音が伊織と絵梨花さんと笑い合う日々が再び訪れますように……






誠 side end