「そういえば、湊、それに魁斗に瑠衣。
3人とも旅行前にできるだけ宿題終わらせといてよ」
湊「分かってるってばぁ」
“本当に？”と疑り深い目をしていたのか、朔に「大丈夫だよ」と言われた。
その後に「やってなかったら旅行に行かせないから」と聞こえた気がしたのは私だけだろうか。
さっきの3人を見ると、その幻聴のように思えた声が本当に朔の声だったかのように、ブルりと体をふるわせていた。
湊「じ、じゃあ。僕達はそろそろ帰ろうかなぁ……………朔が怖いし」
先程のことで動揺している湊が少し面白い。それに小さな声で「朔が怖い」と言っていたのが私だけではなく朔本人にも聞こえていたのだろう。
少し笑みを深めていた。目は笑っていないが。
湊「ひっ」
瀬那「さ、帰るぞ〜」
上手くこの空気を変えてくれた瀬那に感謝の視線を送る。
そうするとフッと笑って私の頭をポンッと撫でて帰って行った。
