いつか再会する時まで




智也「あ、来たな」




………正直話しかけて欲しくなかったかな。
智也が呟いた瞬間、女性たちの鋭い視線がこちらに向くも、少しずつその鋭さが失われていく。
なぜだか分からないが、凛の手を取って少し小走りで近寄る。





「お待たせ。さ、家に戻ろう」


この煩い空間から早く逃げたくてそう言うと、紫苑が何回も首を縦に振っていた。
…………そんなに嫌だったんだね。
行く前はギャアギャアと騒いでいた湊や瑠衣も少し不機嫌そうな顔をしていた。
皆やっぱり騒がれるのは嫌なんだね。
“騒がれるのが当然”と皆が思っているように思っていたことが間違いだったことに気づき、心の中で謝る。
………ナルシストだと思っててごめんなさい