いつか再会する時まで




事実を認めない父親と、虚ろな目をして父親を止めようともしない母親に軽蔑するような視線を向ける。



「貴女は何をしているんですか。母親なら止めるべきでしょう」

凛母「……」


何も答えようとしない母親に少し気味悪さを覚える。
虚ろな目をして、目の焦点があっていない。








凛父「不法侵入だぞ!分かってるのか!!」

「訴えれるものなら訴えれば?
どうせ虐待の事実が明らかになってあんた達が捕まるだけだし」

凛父「何だと!?もっかい言ってみろ!」

「だーかーら。訴えれるもんなら訴えろって言ってんの!」


これまで凛にどれだけ怖い思いをさせたのか。それを想像して凛の両親に対する軽蔑と怒りが湧いてきて、自然と口が悪くなる。







完全に逆上した父親の手が迫り、頬を殴られる。

「いっ……」

凛「玲音!!」

凛父「凛、お前がこいつに言ったのか?あぁ!?どうなんだ!?」

凛「ひっ……」


凛は完全に父親に怯え、身動きが取れなくなっている。








凛父「どうせお前なんて要らないんだ。今から楽にしてやる」


凛の父親はそう言ってポケットから折りたたみ式ナイフを取り出す。
なんて物騒なものを……。







1歩ずつ近づいてくる父親に、私と凛は1歩ずつ後ずさる。
背中が壁にあたり、“ヤバい”と思った瞬間……。