パーティーの日の夜の出来事を語ると、玲音はくすくすと楽しげに笑う。
玲音「そうだったんだ。ということは、あの時見たのは湊なのかな」
「え?」
玲音「1度、彩葉さんがお店の外を指さして“あ、あれが私の弟。可愛い顔してるでしょ?”って言ってたことがあったんだよね。」
あのバカ姉貴……!
好きで可愛い顔してるんじゃないってのに!
それに客に自慢すんなっての!
玲音「湊は美容関係興味あるの?」
「俺は別にないかなぁ。」
玲音「俺…?」
姉貴の話が出て思わず素の自分が出てしまう。
「玲音何言ってるの?“俺”なんて言ってないよ?」
玲音「隠さなくていいよ。別に一人称が“僕”だろうが、“俺”だろうが湊が湊であることに変わりないし。」
そうだった。玲音はこういう考え方をするんだった。俺が今まで出会ってきた人の中でも変わった人。
「可愛い顔して“俺”は似合わないよ?」なんて言う人じゃないのを忘れていた。
認められた気がして少し笑みがこぼれる。
そんな俺に対して、玲音は不思議そうな顔をしながらも、柔らかい表情をしていた。
湊side end
