話していたら結構時間が経っていたようで、寮が完全に閉まる時間が刻一刻と迫っていた。
私たちは誠さんの車、そして母さんの車にそれぞれ4人ずつ乗せてもらう。
私、凛、旭、湊は母さんの車に。
紫苑、魁斗、瑠衣、朔は誠さんの車に。







車に乗りこみ、エンジンをかけると母さんは口を開いた。



絵梨花「玲音は学校でどんな感じなの?」

「ちょっ、本人がいるとこで聞かないでよね!」


私と母さんのやりとりに皆はくすくす笑い、答える。


凛「玲音は誰にでも優しいですよ。玲音自身は男装してて女子生徒にモテてるし」

「え、そうなの!?」

凛「鈍。」


……最後の凛の言葉がグサリと心に刺さる。そんな言い方しなくてもいいじゃんか……



旭「俺たちと玲音は小学生の頃にバスケのコートで出会ったんですけど、今でも腕は衰えてませんよ。
この前の体育祭でも大活躍だったし」


その言葉を聞いて、母さんは少し目を鋭くして私を見た。
“運動は控えなさい”そう言いたげな目をしていた。
控える気はさらさら無いが、一応従うふりをしておく。