目が覚めると、真っ白な天井が視界に入る。
ゆっくりと体を起こすと、ここが病院であることに気づく。
ガラッと扉を開けてタイミングよく入ってきたのは千秋だった。
千秋「玲音、まだおき……って、は!?起きてんならナースコールしろよ!」
目覚めてすぐに怒鳴られて頭がガンガンする。
すぐに看護師たちが来て、検査をし、やっと休めたのは次の日の夕方だった。
千秋「……お母さんは1度精神科に入院させるってさ。伊織が言ってた。」
「……」
千秋「伊織は忙しいからって、寮に戻ったぞ。はぁ、家族がこうなってるのにあいつは何してんだか」
「……千秋、それでいいんだよ。私たちはもう手遅れだから。父さんが死んだ時から“家族”なんかじゃなくなってたんだよ。」
千秋は口を噤み、病室は静かになった。
千秋の悲しげな表情を見て思わず目をそらす。
千秋「これからどうすんだよ」
「どうにでもなるよ。」
千秋「お金、いるだろ」
「大丈夫。バイトすればいいから。容姿だけはそれなりにいいからね。
高校生に間違えられたことあるし」
千秋は説得するのを諦めたように肩の力を抜く。
