よく分からないまま、校門に向かう。
そして…………女性を見た。
その瞬間、心の中が冷えきっていくのが自分でも分かった。





「……なんの用」

「玲音、私は話がしたいの」

「……ここじゃ迷惑。ちょっと付いてきて」








少し歩いて、閑散とした公園に向かう。
そして向き直り、女性…………母親を見た。







「今更なんなの?」

絵梨花「玲音、話を聞いて」

「どうだっていい。私にはもう関係ないでしょ」



私が拒絶すると泣きそうな顔をする。
……何であんたがそんな顔すんの?
あの時……私を見ようともしなかったくせに。




もう用が済んだ、と踵を返し去る私に後ろから声が届く。




絵梨花「待ってるから、いつまでも!」







…………あの頃やつれていたのが嘘のように、すごく綺麗になっていた。
元気で良かった。それだけ。









そう思っていたのに……