いつか再会する時まで




千秋「……もっと早く検査しとくべきだった」


その言葉は重々しく私に響いた。
まさか悪い病気が……そんな予感が頭の片隅によぎる。




千秋「……生まれつき修正大血管転移症という難病を患ってるのは知ってるな?」


私は静かに目を伏せてこくりと頷く。
修正大血管転位とは大動脈と肺動脈の大血管に加え、心房と心室の位置も逆になった稀な先天性心臓病のこと。








千秋「……そこに心不全の症状が出てる。後は修正大血管転移症の合併症もいくつか見うけられる。」


嫌な予感は当たっていた。








「修正大血管転移症の生存率ってどのくらいだっけ?」

千秋「10年生存する確率が64%。このまま心不全の症状が悪化すると、右室機能不全で死亡する確率が高くなる。
……出来るだけ早く手術した方がいい」

「話はそれだけ?……それだけなら戻る」






千秋の「ちょっ、おいっ!」という焦った声が聞こえてくる。
私はそれを無視して病室に戻った。