湊「それにしても玲音は頭いいね!
女の人とデートとか行ってたのにさぁ。」
悪気のない湊の言葉に、私はどんな顔をしていたんだろう。
湊「どうしたの?」
「…私の…くせに」
湊「何て言ったのぉ?」
「っ俺の努力を知らないくせに!」
湊を置き去りにして走り出す。
悪気はないことは分かっていても、その言葉は耐えられなかった。
息を切らしながら屋上に行き、バンッと荒々しく扉を開ける。
「……はぁ。またやっちゃった」
キツい口調で言ってしまった自分に嫌悪感を抱く。なんでこんな言い方しか出来ないんだろ……
大きく溜息をつきながら空を見上げる。今日も空は私の気持ちなんてお構い無しに晴れ渡っている。
澄み切った空を見ているとだんだん心が落ち着いてくる。
……後でちゃんと謝ろう。そう思いながら屋上を出た。