涼介「本当は葵の誕生日に渡すつもりだったんだが……」
その瞬間、私は理解した。
“葵さんの誕生日に婚約指輪を渡すつもりで、選ぶのを手伝ってもらっていただけ”だということを。
涼介さんは迷いつつも箱を葵さんに手渡す。
葵「えっ……いいの?」
葵さんが箱を開けると、その中には植物の葵をモチーフにした指輪が入っていた。
それを見た葵さんの顔には驚きと嬉しさが見える。
「葵さん分かったでしょ?涼介さんは二股なんてしてないってこと」
葵「涼介疑ってごめん!それにありがとう……。」
そう言いつつ、箱を涼介さんに返す葵さん。涼介さんの顔には諦めが見えた。
葵「ちゃんと……誕生日に渡してよ」
その言葉に涼介さんの顔が勢いよく上がる。それを見た葵さんはくすくすと楽しげに笑う。
これで一件落着かな……。
もうこんな事に関わりたくないよ…
