「ねぇねぇ、朔。玄関の靴って誰の?」
聞こえたのは、耳を澄ます必要も無いほど大きな声だった。
防音対策とかはないのかと気にしながら部屋を出る。
そこにいたのは、朔と紫苑とあと3人。
「それ、俺の。」
いきなり話に入った私に驚いたのか、リビングにいた5人の中で1番身長低い子がソファから落ちそうになっている。
「あ!神崎君だー」
何で私の名前を?と顔に出ていたのだろう。私としては少し顔をしかめただけなのだが。
「だって、女の子達が“ 神崎君って、物腰柔らかいし運動出来るし、首席で入学したんだって……ほんと完璧すぎ!”って言ってたもん」
今日はその話ばっかだったと苦笑する身長が低い子。
ちゃんと挨拶していないことに気がついて改めて挨拶をすると、朔と紫苑以外の3人は三者三様の返事を返してくれた。
