「誰?」
中から声が聞こえてきて驚いた。
なぜなら、誠さんに「一人部屋にして欲しい」と頼んであったから。
男装してるのに女子と同室なのも、男子と同室なのもどちらも良くないと思って。
なのに…なんで。
「初めまして。1-Bの神崎 玲音です。」
声の主に挨拶をした。
「こちらこそ初めまして。2-E 伊集院 朔です。よろしくね?」
ブラウンベージュの髪で微笑むときに目を細めるので柔らかい雰囲気がある。
そしてすごく所作が綺麗。ご両親が厳しい人なんだろうか……
…というより、同室2年生なんだ?普通は同学年だと思うけど
朔「玲音って呼ばせてもらうね。俺のことは朔でいいから。玲音の部屋はその左のところ。俺の部屋は右だから、間違わないように気をつけて。」
丁寧に説明してくれた朔にお礼を言い部屋に入る。机とベッド、棚ぐらいかな、元々あるのは。部屋の隅の方にダンボールが置いてあった。
17:00まではまだ少し時間があるし服を整理しようかと思った時、リビングの方が騒がしくなった。
