いつまでも降りてこないパンサーに深梁は切れ長の眼を鋭く光らせて笑いかける。
分子達が、次々と光となって、消えていく。
「言うてる事とやってる事がえらい違うのとちゃいますぅー?」
深梁の挑発的な言葉が聞こえていないはずはない。
だが彼は動かない。
深梁は手を休めない。
パンサーに顔を向けていながらケータイを振り回し、その曲線に富んだ体躯を踊るようにくるくると動きながら統率なく襲い掛かって来る分子達を消去していく。
目に見えて分子達は減ってきていた。
「……演算完了」
「!」
誰にともなく、確認音として発された言葉を深梁の耳が拾う。
同じツールでも苣よりもはるかに虚ろで冷たい声は、かすかでも耳に入るたび深梁の胸に何か嫌な予感めいたものを募らせていく。
しかし、それがどういった不安なのかという所が断定できない以上は気にしてはいられない。
その大きな身体からは到底考えられない身軽な動きで飛び降り、長い脚をしっかりとクッションにして着地する。
影が落ちる顔は真っ黒に塗りつぶされたようだった。
ゆっくりと、背を曲げたまま立ち上がる。
やはり、苣よりも大きい。
どこから出したものか、グローブをはめたその大きな手の中にあった小さな小さな巻貝をためらいなく握りつぶす。
と、貝の砕ける微かな音に反応するように分子達がぴたりと襲い掛かるのを止め、深梁の攻撃の届かない距離まで離れ、深梁を囲むようにして大人しくなった。
「おいでやす」
「只今より第二任務に移行する」
「?」
分子達が、次々と光となって、消えていく。
「言うてる事とやってる事がえらい違うのとちゃいますぅー?」
深梁の挑発的な言葉が聞こえていないはずはない。
だが彼は動かない。
深梁は手を休めない。
パンサーに顔を向けていながらケータイを振り回し、その曲線に富んだ体躯を踊るようにくるくると動きながら統率なく襲い掛かって来る分子達を消去していく。
目に見えて分子達は減ってきていた。
「……演算完了」
「!」
誰にともなく、確認音として発された言葉を深梁の耳が拾う。
同じツールでも苣よりもはるかに虚ろで冷たい声は、かすかでも耳に入るたび深梁の胸に何か嫌な予感めいたものを募らせていく。
しかし、それがどういった不安なのかという所が断定できない以上は気にしてはいられない。
その大きな身体からは到底考えられない身軽な動きで飛び降り、長い脚をしっかりとクッションにして着地する。
影が落ちる顔は真っ黒に塗りつぶされたようだった。
ゆっくりと、背を曲げたまま立ち上がる。
やはり、苣よりも大きい。
どこから出したものか、グローブをはめたその大きな手の中にあった小さな小さな巻貝をためらいなく握りつぶす。
と、貝の砕ける微かな音に反応するように分子達がぴたりと襲い掛かるのを止め、深梁の攻撃の届かない距離まで離れ、深梁を囲むようにして大人しくなった。
「おいでやす」
「只今より第二任務に移行する」
「?」



