路地裏の唄

沈黙の中、コンツは迷うことなく自身の充電器の所まで行き、チェアに腰掛けるとコードがいくつもついたヘルメット型の充電器を付け動かなくなった。

苣も、自分の充電器に向かって歩を進めることにした。

別段話すこともない関係。
以前まではこの徹底した沈黙について、考えると言う考えすらなかった。




微かに感じた不快感が『居心地が悪い』と言うものではと思い至った時、苣は自分が思っていたよりよほどあの騒がしい空間に馴染んでいたのだと気付く。








それがなんだか気に食わず、短く鼻をフン、とならした。