「誰がどう呼んでもマスターにはならへんのやろ?」と続けて確認し、現樂が「勝手に決めてくれ」と全任すると楽しそうに請け負いラビットに向き直って、なんか呼んで欲しい名前あるー?などと尋ねた。



「…別に」



素っ気ない態度はどうやら素らしい。
深梁はまったく気分を害することなく名前を考え出す。



やがて、ピンッと人差し指を立てさも名案そうに口を開いた。







「苣(チシャ)にしましょ!!」






研究室の中は以外と声が響くらしい。


当人はさして興味もなさそうに「好きにしろ」などと言っている。


「うちは乃木 深梁!
こっちにいるんが今日から苣がお世話になるお家の玖丹 県ちゃんとケータイの玖科クン!そんでラプソディア新入りの妃ノ神 律ことりっちゃんとケータイの原十郎はん!」


苣はやや元気の良い深梁に驚いているようすだった。


「別に俺は、お前達と馴れ合う気は…」

「なぁーに辛気臭い事言うてんのん!!早速やけど彼借りますわっなぁに夕方くらいにはお返ししますさかい!」

「ちょっ気安く触るなっ」

「なんか用事なの?」


もう何がなんだか。
手を振り払おうとする苣の腕を問答無用で絡め取る深梁に慌てる素振りなく県が尋ねる。
そこで暴れる苣をがっちりと捕まえている深梁なさらに笑みを深くした。


「まぁたえーお店見つけたんですわ〜♪」