半開きになっている硝子の瞳の中に微細な光の群れがチカチカと発生する。
その朱い瞳がいっそう朱さを増したと感じた瞬間、息を吹き返した瞼が瞬きをした。
「………」
ラビットの目が天井を見据えたまま、睨み付けるかのように目が細まった。
身体は弛緩したまま、動き出す気配は見られない。
「……俺は…どうなった…」
律の知らない、少し低めの青年の声がじわりと辺りの空気を震わした。
そのラビットの問いに現樂が普段通りの調子で応じる。
「うちのケータイがお前を拾って来た。
ウィルスにやられてたから少しいじらせて貰った」
「ここは機関ではないな…ラプソディアか…」
「そうだ」
そこで彼はゆっくりと身を起こした。
意思の灯ったその顔は先程の人形とは思えない。
硬そうな真っ白い髪と同色の眉は太めで短く、モミアゲに縁取られた顔は精悍で美しいが、硬質な険しさを感じさせた。
「自分でわかってると思うがウィルスの除去の他にも壊れたままになってた自立機能もリペアしてある」
「…あぁ」
短く返し頷く替わりに軽く視線を落とした。
「メーカーの洗脳プログラムも解けているな」
自身を確認したように呟き、「治したのはお前か?」と現樂に確認した。
「拾って来て主に治したのはこっちだ」
指し示された通りに彼は視線を緋奈咫に移し、ろくに目も合わせずに「…礼を言う」とぶっきらぼうに呟いた。
その朱い瞳がいっそう朱さを増したと感じた瞬間、息を吹き返した瞼が瞬きをした。
「………」
ラビットの目が天井を見据えたまま、睨み付けるかのように目が細まった。
身体は弛緩したまま、動き出す気配は見られない。
「……俺は…どうなった…」
律の知らない、少し低めの青年の声がじわりと辺りの空気を震わした。
そのラビットの問いに現樂が普段通りの調子で応じる。
「うちのケータイがお前を拾って来た。
ウィルスにやられてたから少しいじらせて貰った」
「ここは機関ではないな…ラプソディアか…」
「そうだ」
そこで彼はゆっくりと身を起こした。
意思の灯ったその顔は先程の人形とは思えない。
硬そうな真っ白い髪と同色の眉は太めで短く、モミアゲに縁取られた顔は精悍で美しいが、硬質な険しさを感じさせた。
「自分でわかってると思うがウィルスの除去の他にも壊れたままになってた自立機能もリペアしてある」
「…あぁ」
短く返し頷く替わりに軽く視線を落とした。
「メーカーの洗脳プログラムも解けているな」
自身を確認したように呟き、「治したのはお前か?」と現樂に確認した。
「拾って来て主に治したのはこっちだ」
指し示された通りに彼は視線を緋奈咫に移し、ろくに目も合わせずに「…礼を言う」とぶっきらぼうに呟いた。



