兄とあたし

 あたしは、親からもらえなかった、愛情を求めて、毎日のように、かず兄に会いに行った。
 でも、流石に、毎日となると、お金が続かなかった…。
 だから、風俗で働く事にした。
 勿論、かず兄に黙って。
 でも、かず兄は、すぐに気付いた。
 「えり、毎日来てるけど、金は、どうしてるんだ?
話し的に、親の仕送りは、ないだろ?」
「バイトを掛け持ちしてるよ。」
「何の?」
「飲食店と風俗…。」
 次の瞬間、ほっぺがジンジンした。
 初めは、何が起きたのか、分からなかった…。
 目の前には、キレた、かず兄がいた。
 そう、あたしは、かず兄に、ほっぺを叩かれたのだ。
 「えり。
ちょっと来い。」
 あたしは、外に連れ出された。
 「軽々しく、「風俗してる。」なんて言うな!!
軽々しく言える、仕事じゃないだろ!!」
「ごめんなさい…。
でも、お金なくて…。」
「だったら、まーくんか俺に、相談しろ!!
とにかく、今すぐ、風俗は辞めろ!!
いいな?!」
「でも、会えなくなっちゃう…。」
「だから、「相談しろ!」って言ってんの!
えりに、無茶はさせないから!
これ、まーくんと、相談するからな?
えりは、風俗をすぐ辞めて、二度としないこと!!」
「分かった…。」
 マサと相談した結果、「伝票の細工と、お金は、マサとかず兄が出す。」に決まった。
 周りにも、たくさん飲まないように、話しをつけてくれた。
 「これで、毎日来れるから。
安心しろ。」
「はい。」
 あたしは、すぐに、風俗を辞めた。
 「辞める、1ヶ月前に言わなかったから、100万円出せ!」と脅されて、免許証と保険書のコピーを取られた。
 それを、かず兄に言ったら、すぐに、動いてくれた。
 借金は、かず兄が、一括で、払ってくれ、免許証と保険証のコピーは、取り返してくれ、ビリビリに破いて燃やした。
 「夜、働くってことは、こういう、汚い手も使われるんだ。
勉強になったろ?
二度とするなよ?」
「はい。
ごめんなさい…。」
 あたしは、昼職のみになり、かず兄のとこに通った。
 かず兄は、毎日、あたしが、店に行くまで、家から店までの間、電話してくれるようになった。
 電話するようになったのは、車に乗った人にナンパされても、あたしが、ナンパだと気付かなかったから。
 これも、お説教された。
 「いきなり、車に乗せられて、レイプされて、山に捨てられたら、お前はどうするんだ?!
捨てられるだけならいいけど、殺されたら、どうする?!
流石に、「どこにいる?」「知らない山。」って言われて、迎えに行けれないだろ?!
最近のナンパは、怖いんだから、ナンパに捕まるな!!」
「はい…。」
「こんなことも、教えてもらってないのか?
親が、教えることだぞ?!」
「ごめんなさい…。」
「まったく…。
俺が、一から教えてやる!!
仕事終わって、店に来るまでの間、毎日、俺と電話!
変なのに捕まりそうになったら、俺が言ってやる!」
「はい…。」