兄とあたし

 あたしが、私立のトップに入ったことを、義父は、自慢げに言いふらし回った。
 あたしは、ただの道具でしかなかった。
 高2になった時、理由が分からない、いじめにあった。
 でも、主犯格は、分かっていた。
 高1の時、仲良かった子で、同じ部活の子だった。
 彼女は、高1の時に、部活を辞めた。
 理由は、先輩が、「彼女には、役者をさせない!」と言ったことだった。
 先輩がそう言ったのには、理由があった。
 あたしの入った部活は、6月と10月に大会があった。
 彼女もあたしも、6月の時に、役者をやった。
 ただ、本番の前に、彼女は、緊張とプレッシャーから、吐血した。
 先輩達は、そのことから、「彼女に役者は、無理だ。」と判断したのだ。
 元々、ミュージカルをやっていた彼女にとって、それは、苦痛だった。
 彼女は、「役者ができないなら…。」そう思い、部活を辞めたのだ。
 あたしは、彼女が、吐血したことすら知らなかったし、先輩達の決断も知らなかった。
 いじめは、高2になって、すぐくらいに始まった。
 いじめの理由が分からなくて、学校に行くのは、6時間目の終わり15分前だった。
 その時間に行けば、遅刻で済んだから。
 出席日数が足りなくなるので、最終手段を担任から、教えてもらった、結果のことだった。
 だから、あたしは、ほとんど、学校にいなかった。
 そんなある日、いじめの主犯格の彼女から、話しかけられた。
 彼女は、あたしが、「主犯格と分かってない。」と思って、話しかけてきたが、あたしは、知っていた。
 「えりちゃんがいないと、海外ドラマの話しが出来ないから、来てほしい。」
 彼女は、そう言った。
 あたしは、「(何言ってんの?)」と思っていた。
 彼女との話しが終わると、先輩に声をかけられた。
 先輩は、彼女から、あたしが、「学校に来ても、15分くらいしかいない。」と聞き、あたしに、「それなら、部活に出ないでほしい。」と言ってきた。
 だから、部活にも顔を出さなくなった。
 顧問は、「それでも、部活には出て欲しい。」と言ったんだけどね…。
 高3になった時、高2で、同じクラスだった子に、理由を聞いた。
 すると、彼女が、「部活を辞めるのを、止めてくれなかった。」これが始めで、「クラスで、何かなくなれば、あたしのせい。」、「クラスで、何か壊れれば、あたしのせい。」、何でも、あたしのせいにされていたらしい。
 高3でも同じクラスになった子は、その事に、「(学校に来てないのに?)」と疑問を持っていたらしい。
 勿論、あたしは、クラスの誰にも、何もしていない。
 全ては、彼女の嘘。
 「(彼女自身も、いじめられた過去があるのに、よくいじめれたな…。)」と思った。